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非抜歯による破折歯根の歯冠内接着保存法 ⑭[Non-Extracted Approach for Tooth Fracture ⑭ ]

症例基本データ

患者:

45才 男性

初診:

2019(R1)/7/29

主訴:

福井県より来院。歯が割れていて『抜くしかない』と言われている。抜かずに治したい。


  • 初診時の左上4番の所見。仮封剤を除去すると、近遠心的に破折線が確認できる。
    (2019/7/29)

  • ・X-ray所見にて既に、根尖部に透過像が確認できる。・直ちに歯冠部をwire固定しこれ以上の歯冠の離開を防ぐ。
    (2019/7/29)

  • 2度目の来院時に患歯補強のMetal BandをSet。これ以上の破折の拡大を防ぎつつ、感染根管治療へ移行した。
    (2019/8/5)

  • 根管充填後の所見を示す。根尖部透過像もあり、今後の臨床経過に注意を払う必要がある。
    (2019/8/5)

  • 前回治療後、「腫れも痛みもありませんでした。」との事。経過を確認しコアーの形成に入る。
    (2019/8/21)

  • 接着Metal coreを示す。破折線を歯冠内からV-Cutし、エッチング・プライマー処理の後 歯冠内で接着・組み立てて装着する。
    (2019/9/4)

  • 接着Metal core装着後のX-ray所見。
    (2019/9/28)

  • ・最終補綴物装着後のX-ray所見。根尖部透過像は治癒傾向を示している。
    (2019/9/28)

  • ・⎿4 左上4番の最終補綴物を示す。抜歯することなくご自身の歯で再び咀嚼機能を回復された。
    (2019/9/28)

治療方針

・遠方より来院されたので、来院当日に破折歯をwireで固定し これ以上の破折の拡大を防止する。・次いで、次回来院時に使用する患歯固定用のMetal Band作製用の印象〈型取り〉まで行っておく。・これまで取り組んだ同様な症例を複数例提示して、今後の治療の進め方と治療経過を説明し理解を得た。

症例のポイント

・遠方よりの来院であり、治療の回数は出来るだけ少なくしたい。・しかしながら、患歯破折後の時間の経過が長く、すでに歯髄(歯の神経)は変性(細胞死)しており、根尖部に病変の浸潤が認められる。・根管治療の回数制限のある内、慎重に根管充填まで治療を進め臨床症状のない事を確認して、メタルコアーの形成へと移行した。・Metal coreは分割コアーとし、頬舌側方向への再度の歯冠破折を確実に防止すること。・Metal coreの装着時には、破折線をV字Cutし接着をより強固なものとするのが最大のポイント。同時に根管壁とMetal core双方のエッチング プライマー処理等求められる手順を確実に実行すること。

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