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非抜歯による破折歯根の歯冠内接着保存法 ⑫[Non-Extracted Approach for Tooth Fracture ⑫ ]

症例基本データ

患者:

57才 男性

初診:

2018(H30)/12/18

主訴:

「歯が割れた。抜歯をすすめられ、インプラントかBridgeと言われているが、出来れば抜歯したくない。」「歯を残したいです。」


  • 初診時の口腔内正面観。左下奥歯の破折で来院。
    (2018/12/18)

  • 初診時の口腔内上/下顎の所見を示す。
    (2018/12/18)

  • 左下7番歯の破折の所見。破折線は髄床底を近遠心的に横断する 完全破折症例。
    (2018/12/18)

  • 来院当日に歯冠周囲をwire結紮固定(2018/12/18)し、次回来院時(2018/12/26)にMetal Bandにて強固に固定する。
    (2018/12/18・2018/12/26)

  • 破折歯内部の出血状態(2019/1/8)。根管治療に着手(2019/2/8)。
    (2019/1/8・2019/2/8)

  • 根管充填終了後、金属製の補強を入れるための歯冠形成(左)の後、接着Metal coreを歯冠内で組み立てて補強する(右)。
    (2019/3/1)

  • 最終補綴物装着時のX-ray所見を示す。歯根周囲、根尖部の歯槽骨は正常像を示している。
    (2019/3/22)

  • 最終補綴物(金属冠)の口腔内所見を示す。
    (2019/3/22)

  • 冠装着後1Y6M後のX-rayの所見。「他の歯と同じようにしっかり噛めます」という。歯根周囲の歯槽骨は安定。
    (2020/9/24)

治療方針

・左下7番歯は近遠心方向に完全破折の所見あり。
・幸い破折部の離開はすすんでいなかった。
・この様な症例では、破折部のこれ以上の離開を防ぐために直ちにwire固定に入る。
・次回来院時に歯冠外周を Metal band で固定する。
・その後慎重に根管治療、根管充填、Metal補強の過程を経て、最終補綴物を装着する。
・同様な他の臨床例を提示・説明し治療への理解を得た。

症例のポイント

・左下7番歯は近遠心方向の完全破折症例。
・従来、この様な症例は一旦抜歯した後、口腔外で破折部を接着・固定した後、再植・固定(破折歯根の接着・再植術)を行っていた。
・抜歯による歯根膜損傷のダメージを回避するためと、隣在歯との連結固定の期間(約2ヶ月)も不要となるところから、現在では多くの臨床例で非抜歯による破折歯の保存治療に取り組み、術後の好結果が得られている。
・非抜歯による破折歯保存の臨床例として提示した。

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