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前歯部一歯欠損への対応(抜去歯応用ポンティック)①[Clinical application of natural tooth for pontic ①]

症例基本データ

患者:

50才 男性

初診:

1995/6/21

主訴:

前歯が2ヵ月ほど前からグラグラしていて、触ると痛みがある。何も噛めない。抜いて3本のBridgeをすすめられているが、削りたくない。


  • 初診時の口腔内所見。左上1番の動揺が著しく、食事ができない。
    (1995/6/21)

  • 抜歯時の口腔内所見。
    (1995/7/19)

  • 左上1番の抜去歯。この後歯根を切断し、ポンティックとしての形態を整える。
    (1995/7/19)

  • 右上1番の遠心傾斜のため、天然歯ポンティックが届かない。
    (1995/7/19)

  • 抜去歯にもブラケットを装着の上、遠心に傾斜している右上1番の整直。
    (1995/7/25)

  • 左)初診時。左上1、2番の根尖部に及ぶ根周囲骨の吸収が著明であった。 右)術後5年4ヵ月。左上2番の根周囲骨の回復を通して生体の持つ治癒能力に驚きと感銘を覚えた。
    (1995/6/21・2000/11/17)

  • 右上1番が整直され、本来の左上1番のスペースに戻った。ここで左上1番を接着した。
    (1995/9/1)

  • 術後5年3ヵ月の口腔内所見。天然歯を切削することなく審美性と機能を回復した。
    (2000/10/18)

  • 術後25年8ヵ月を経過した。天然歯を削ることなく、審美的にも機能的にも満足いただいている。X-ray所見にて根周囲骨は安定し、健康歯肉が維持されている。
    (2021/2/17)

治療方針

・左上1番抜去歯の歯根を切断し、《天然歯ポンティック》 として応用することによって、右上1番と左上2番の2つの天然歯の切削を避けること。 ・接着前に小矯正を応用し、前歯のスペースを整えること。

症例のポイント

・左上1番抜去歯を 《天然歯ポンティック》 として応用し、審美的にも機能的にも満足が得られている。 ・さらに両隣の健全な天然歯を切削せずに保存することは、患者さん固有の美しさやイメージを損なうことなく、何より生体への侵襲を必要最小限に抑えることができた。 ・術後5年目の左上2番の周囲骨は予期した以上の回復が得られている。 ・今までの削る補綴中心の歯科医療の在り方や今後の方向性に何らかの示唆を与えるものとしてとらえたい。 ・術後25年8ヶ月を経て患歯周囲骨は極めて安定。50歳で来院された患者さんは76歳になられたが、歯を削ることなく永年にわたって健康生活を維持されている。

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