破折歯根の接着・再植保存法 ⑤[Adhesive & Replantation for Root Fracture ⑤]
症例基本データ
患者:
44才 男性
初診:
2005(H17)/6/21
主訴:
左下奥歯が割れている。本で調べた。先生の症例を見て来院した。
術前の口腔内所見。左下の奥歯が割れている。
(2005/6/21)
左下7番の所見。歯冠部は近・遠心的に完全に破折していた。
(2005/8/30)
左下7番の抜歯。健全な歯根膜にダメージを与えない様にして、口腔外で接着する。
(2005/8/30)
接着した破折歯を元の抜歯窩へ再植し固定する。
(2005/8/30)
再植後のX-ray所見。隣在歯とwire固定している。
(2005/8/30)
約2ヶ月後の所見。再植歯の骨植は堅固となり、咀嚼に耐えられる状態。
(2005/11/9)
再植歯に金属冠を装着した。再びご自身の歯で噛める様になった。
(2005/11/16)
同部のx-ray所見。再植した歯根の周囲骨は、健全な隣在歯と同様に良好な状態を示している。
(2005/11/16)
術後6Y目の所見。再植した歯は「何も気にせず、普通に食事出来ます。」との事。
(2011/4/2)
治療方針
・京都より急患にて来院された。
・患歯は近遠心的に完全に破折しており、歯冠周囲をwire結紮して破折の拡大を防いだ。
・海外(イギリス)への学会出張を控えており、接着 再植opeは帰国後となった。
症例のポイント
・患歯は無髄歯であり、歯冠から歯根にかけて完全破折の症例。
・歯根膜に傷をつけない様、慎重に抜歯すること。
・通法により、破折歯を接着し 再植固定。
・約2ヶ月後骨植を確認し、最終補綴へ移行した。
・「何も気にせず、普通に食事が出来ます。」(2006/12/18)との事であった。