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外傷による歯の破折 ④[Traumatic Tooth Fracture ④]

症例基本データ

患者:

25才 男性

初診:

2015年8月25日

主訴:

ロードバイクで転倒し、前歯3本を破折。


  • ロードバイク走行中に転倒。上顎前歯部を強打し、前歯3本破折。
    (2015/8/25)

  • 名古屋大学救急外来を受診し、抜髄処置を受けた。名古屋大学歯科口腔外科からの紹介状。
    (2015/8/25)

  • 受傷後3日目。当院への来院時の所見。破折は舌側歯肉縁下、骨縁に及んでいた。
    (2015/8/25)

  • 仮歯用の歯冠形成。初診来院時に型取りしたもの。
    (2015/9/4)

  • 2度目の来院時に仮歯を装着した。応急で審美と機能の回復を図った。この後に根管治療へ移行する。
    (2015/9/4)

  • 破折歯の根管治療を開始した。垂直加圧根管充填法(Opian
    carrier method)応用時のX線所見。
    (2015/9/26)

  • 製作されたメタルコア(歯の土台)。舌側のマージンは骨縁に接触している。
    (2015/10/31)

  • 口腔内にメタルコアを装着。
    (2015/11/14)

  • 左は来院時所見。右は最終補綴物装着時の所見。
    (2015/3/24)

治療方針

X線所見にて、幸いにも歯根の顎骨内での破折は確認されなかったこと、破折断端が舌側骨縁下に及んでいなかったことにより、歯根挺出法を応用することなく、患歯歯根保存の方針とした。

症例のポイント

破折歯根を保存することで、抜歯による大がかりな補綴やインプラントを避けることができた。天然歯の可能性を最大限に守ることが本来の歯科医療の使命と捉えたい。日々の臨床は『最小の治療行為で最大の効果を』。 また、 『歯を通して人を思いやる心』を忘れずに取り組みたいものだ。

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