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臼歯部の1歯欠損への対応(生活歯冠形成法)[Partial Venier Bridge]

症例基本データ

患者:

50才 男性

初診:

1981/2/23

主訴:

右上6番の急性発作。その後口蓋根をヘミセクション。プロビジョナルクラウンを経て頬側2根で全部被覆鋳造冠を装着。19年経過後、保存不可能と判断し抜歯した。


  • 右上6番歯周炎の急性発作にて来院時の所見。口蓋根をヘミセクション(部分抜歯)した。
    (1981/2/23)

  • プロビジョナルクラウンを経て全部被覆鋳造冠を装着するも、19年後に保存不可能と診断。
    (2000/6/19)

  • 初診より19年4ヵ月後の抜歯時の所見。根周囲の不良肉芽を示す。
    (2000/6/26)

  • 右上6番抜歯後約3ヵ月後の所見。両隣在歯は健全天然歯である。歯質の切削は最小限としたい。
    (2000/9/12)

  • 特に頬側の天然歯質は人口の補綴物では求められない天然歯の持つ自然の美しさがある
    (2000/9/12)

  • 生活歯冠形成終了時の所見。術前に印記された機能咬頭のファセットは、切削せず保存することがポイント。
    (2000/9/12)

  • ブリッジ装着時の口腔内所見。切削は維持に必要な最小量とする。
    (2000/9/22)

  • 同、頬側面観。術前の頬側健全天然歯質は切削せず、すべて保存された。
    (2000/9/22)

  • 初診から25年1ヵ月経過。患者さんは75歳になり、自分の歯をとても大切にされている。
    (2005/3/15)

治療方針

健全な天然歯質を極力保存することを念頭に、機能回復を図るために歯冠形成は必要最小限とする。尚、有髄歯ではあるが無麻酔で対応可能。機能咬頭のファセットは保存する。

症例のポイント

・患者さん固有の色調や形態がそのまま保存されて、術前術後の咬合高径に変化が無い。すなわち補綴物装着時に高い低いという患者さんからの違和感の訴えが無い。
・歯冠形成は無麻酔、縁上マージン。従って圧排は不要で、歯肉出血もなく印象採得できる。

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