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ブラッシングの威力(歯茎からの出血) -Gum bleeding-

症例基本データ

患者:

46才 男性

初診:

1996年8月5日

主訴:

上顎前歯部は出血を伴う重症の歯肉炎。歯肉からの出血が止まらない。「出血が怖くて、この部位は触れない」と言う。


  • 初診時の口腔内所見。上顎前歯部は出血を伴う重症の歯肉炎。歯肉からの出血が止まらない。
    (1996/8/5)

  • 患者さんは、「出血が怖くて、この部位は触れない」と言う。
    (1996/8/5)

  • 初診から2週間後の所見。原因のプラークを除去することで、歯肉は回復傾向。
    (1996/8/20)

  • 初診から2か月後の所見。健康歯肉を取り戻した。術者の指導と管理、患者さんの努力の結果である。
    (1996/9/30)

  • 重症の歯肉炎であったが、歯を支える歯槽骨の吸収を引き起こす前に治癒した。
    (1996/9/30)

  • 健康歯肉が自分の力で回復した。歯肉は緊張があって美しい。
    (1996/9/30)

  • 12年後もX線所見で歯槽骨の吸収は認められない。
    (2008/7/5)


治療方針

このような症例は、原因がプラークであることをご本人によく理解していただくことが基本です。その上で優しく、そっと、できる範囲で少しずつプラークを除去していただくことで、徐々に健康歯肉が回復に至る過程を患者さん自身に実感していただくことが大切です。

症例のポイント

まず患者さんに「大丈夫ですよ」と安心感を伝えることがポイント。その上で「原因であるプラークをできる範囲で取り除けば、必ず健康歯肉を回復する」ことをお伝えする。初めから歯ブラシのテクニックの指導は全く不要で、スタッフから「一緒に頑張りましょう」と声がけする。その後患者さんは現在まで20年以上にわたり検診を欠かさず、健康歯肉を維持されている。

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