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非抜歯による破折歯根の歯冠内接着保存法 ⑦[Non-Extracted Approach for Tooth Fracture ⑦]

症例基本データ

患者:

35才 女性

初診:

2019(H31)/3/1

主訴:

奥歯が割れた。『もう抜歯しかない』と言われているが、何とか治療法はありませんか?


  • 初診時の正面観。
    (2019/3/13)

  • 左上6破折歯のX線所見と口腔内所見。
    (2019/3/1)

  • 充填物(メタルインレー)を除去すると近遠心的に歯冠は完全破折していた。
    (2019/3/13)

  • 離開し拡大した破折面は矯正用エラスティック(H5)で復位させる。
    (2019/3/25)

  • 矯正用メタルバンドを応用して、破折の拡大を防止し根管治療へ進む。
    (2019/3/25)

  • 慎重に根管治療を進め臨床症状の消失を確認する。
    (2019/7/19)

  • 再度の破折を防止する為、分割接着メタルコアーを作製し口腔内で組み立て接着する。
    (2019/8/9)

  • 仮歯で経過観察の後、全ての症状が消退した事を確認し最終補綴物を装着した。
    (2019/9/27)

  • 右)術後の口腔内所見を示す。再び自らの歯で噛める様になった。 左)治療前の左上6の所見。大きく破折していた。
    (2019/9/27・2019/3/17)

治療方針

破折した左上6奥歯は抜かずに保存治療が可能な事を伝え、これまでの他の同様な破折歯保存の臨床例を提示。実際の治療方法とその後の治療経過を説明して納得・理解を得た。

症例のポイント

・従来(1998年以来)から取り組んで来た破折歯を抜歯・接着・再植の治療方法によらず、非抜歯による歯冠内接着保存法を選択した。
・術後経過は順調で「咀嚼に何の違和感も不自由もない」という。
・左上6抜歯によるインプラント治療や健全な両隣の歯を削るブリッジを避けることが出来た。患者さんには非常に喜んでいただいた。
・たとえ時間がかかっても、再び自らの歯で噛める意義は大きい。

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