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根管治療 ③ -Root canal treatment ③-

症例基本データ

患者:

60才 女性

初診:

2005(平成17)年4月1日

主訴:

大学病院で下の前歯4本抜く事になったので、仮歯を作ってほしい。


  • 初診時の口腔内所見。下の前歯4本の仮歯を希望し、紹介にて来院された。
    (2005/4/1)

  • 初診時のX-ray所見。下顎前歯4本に及ぶ大きなZyste(歯根嚢胞)を確認した。
    (2005/4/1)

  • 下顎左右2番歯は大学保存科にて既に抜髄(神経を抜く)処置がなされていた。左下1を開放すると濃厚な排膿を認めた。
    (2005/5/20)

  • 根管治療を継続し仮根管充填の所見。病巣部の周辺より新生骨の増生がうかがえる。
    (2006/12/1)

  • 根管治療開始後1年10ヶ月目の所見。病巣部は新生骨で満たされ、治癒傾向を示している。
    (2007/3/24)

  • さらに1年後、病巣部はほぼ新生骨で満たされている。長い間、仮歯を使用するも日常生活には何の不自由もなかった。
    (2008/3/1)

  • 病巣の治癒傾向を確認後、改めて正式な根管充填へと移行した。決して結果を急がない。
    (2008/3/17)

  • 初診から10年3ヶ月後、やっと正式な補綴(セラミック冠)へ移行することが出来た。最終補綴物の口腔内所見を示す。
    (2015/7/9)

  • 同日のX-ray所見を示す。根周囲及び病巣部はほぼ完全に新生骨で満たされ、患歯は安定。臨床的症状は全くない。抜かずに保存できた。
    (20015/7/9)

治療方針

拇指頭大の歯根嚢胞(Wurzel Zyste)を有する難症例。教科書的には抜歯・嚢胞摘出opeとの診断がなされると思われますが、根管治療の可能性を求めて、患者さんの了解の元、歯の保存治療に取り組んだ。当初は極めて濃厚なEiter(膿)の排出が続き、長期の経過観察を必要とした。

症例のポイント

術後の患者さんからのコメント。「『4本抜歯』と言われた時は、どうしようかと思った。抜かず・削らず治癒した。こんな治療法もあるんですネ。」と非常に喜んでいただけた。結局、補綴歯は1歯のみで治療を完了した。外科処置に比べて、時間的経過はかかるかも知れないが、それでも天然歯保存の意味は大きいと思っている。生体の治癒能力(Homeostasis)の大きさに驚かされる。

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